屋久島&口永良部島ガイド
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Yakushima& KuchinoerabujimaGuide千尋の滝展望台モッチョム岳 200分小瀬田愛子岳登山口愛子岳40分2.8km240分モッチョム岳ルート愛子岳ルート屋久島の山々 宮之浦岳 標高1,936メートルの宮之浦岳は九州最高峰の山で、固有種であるヤクシマシャクナゲの群生も見られます。山頂からの全景はとても美しく、世界の頂上にいるような気分にさせてくれます。 ヤクシマシャクナゲの花の見ごろは5月下旬から6月上旬、ナナカマドやヤクシマオナガカエデなどを含む紅葉の見ごろは10月中旬から11月上旬です。冬になると山頂は雪で覆われ、その深さは3~6メートルに達することもあるので、登山をされる場合は十分な準備をしてください。 淀川登山口から宮之浦岳への登山は、片道およそ5時間もかかる本格的な登山となります。黒味岳黒味岳は標高1,831mに位置します。頂上には驚くほど大きな花崗岩の岩塊が多く見られ、壮大な景色を見せてくれます。黒味岳頂上からは九州最高峰から第8位までの有名な山々の頂も一望でき、このような景色からも屋久島は“洋上のアルプス”と呼ばれています。 黒味岳登山は淀川登山口から片道約3時間、上級レベルの登山ルートとなります。花之江河 花之江河は日本最南端の高層湿原で、屋久島の中央山岳部、標高1,640m地点にあります。 この高層湿原では、様々な高山植物や、風により萎縮し幹が白骨化した屋久杉の“白骨樹”(実際は生きています。)が見られ、湿原を流れる清流と珍しい高山植物、ミズゴケ等の植物が幻想的な景色を作りだしています。淀川登山口から約2時間の場所にあり、宮之浦岳や黒味岳登山の途中で目にすることができます。永田岳 標高1,886mの永田岳は、宮之浦岳に次いで九州第二位の高さを誇る山。麓の永田集落からは永田岳の壮大な眺めが見られ、特に雪で全体を完全に覆われた冬の姿は見事です。屋久島では唯一こちらの永田岳だけが、登山をしなくてもその雄姿を拝むことが出来る奥岳となります。山頂付近では、重なりあう花崗岩の巨岩が独特の風景を作り出し、快晴日には山頂から、屋久杉の森やウミガメ産卵地、珊瑚礁の海まで、広範囲にわたる自然が一望できます。 永田岳登山は上級者レベルとなり、日帰りの登山は難しいコースです。縄文杉 縄文杉は、屋久杉の中では最大のもので、樹高25.3m、幹周囲16.4m、推定樹齢は数千年(2000~7200年)とも言われています。大株歩道沿いの高塚山の尾根に近い、南東の斜面に見られます。 巨大な屋久杉の存在については昔より言い伝えられていました。そして1966年(昭和41年)、宮之浦在住の岩川貞次氏が屋久杉の巨木を発見し、ついにその伝説が現実であると証明されました。この巨大な杉は(縄文時代から生きていると言われたことから、)縄文杉と命名され、現在では日本最古の木として知られています。縄文杉は長い年月を生きてきたため、威厳ある雰囲気を持っています。でこぼこの表面とたくさんの大きなこぶを持つ縄文杉の外見は、長く生きた古木にしか見られないもので、過酷な自然環境もまた、縄文杉をこのような形に形成した一因となっているのです。 屋久杉であるためには、杉は千歳以上でなければならず、それ以下のものは若い杉を意味する小杉と呼ばれます。ウィルソン株ウィルソン株は、推定樹齢2000年、高さ4m、周囲13.8mの切り株で、300~400年前に太閤豊臣秀吉の命によって、京都方広寺大仏殿建立のために切り倒されたと言われています。 およそ16平米(10畳)の空洞となっている切り株内部には泉が湧き、小さな祠が祀られています。 この巨大な切り株は、1914年(大正3年)、イギリス人植物学者A.Hウィルソン博士によって、広く世界に紹介されることとなりました。大株歩道沿いの縄文杉への道中で見られ、実物大のウィルソン株の複製が宮之浦港近くの丘にあります。モッチョム岳モッチョム岳は屋久島の南に位置し、原や尾之間集落からその壮大な眺めを臨むことが出来ます。標高940メートルのこの山は、外観がまるでロケットのように上方に突き出ている非常に特異な形状の為、東洋のマッターホルンとも呼ばれています。 モッチョム岳登山は、千尋の滝駐車場にある登山口から往復6時間以上かかります。愛子岳愛子岳は標高1,235メートル、屋久島の北東部に位置しており、小瀬田や飛行場のある長峰などの集落からはっきりと望むことが出来ます。日本で唯一、2001年にお生まれになった愛子内親王様と同じ名前を持つ山です。山頂付近には花崗岩の岩場が広がり、他の屋久島の山々と同じく素晴らしい景色が一望できます。愛子岳登山口は小瀬田バス停から約2.8km地点にあり、そこから頂上までは片道4時間の行程です。屋久島&口永良部島ガイド

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