屋久島&口永良部島ガイド
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Yakushima& KuchinoerabujimaGuide屋久島と口永良部島 平成19年(2007年)10月1日、上屋久町と屋久町が合併し屋久島町が誕生しました。 屋久島町は、鹿児島市の南方135kmに位置する屋久島と、屋久島の西北西約12kmに位置する口永良部島の二つの島から構成されています。 屋久島は周囲132km、総面積約504平方キロメートルの円形の島で、九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)を含む1,000m以上の山々が連なっています。その高い山々のほとんどは森林で覆われており、その姿から「洋上アルプス」とも呼ばれています。 口永良部島は、長径12km、幅5kmの火山島。緑に覆われたその姿から、「緑の火山島」としても知られており、新岳(626m)の火山活動は、口永良部島に良質な温泉をもたらしています。島の面積の3割以上は竹林で占められ、その他は比較的傾斜が緩やかで天然の牧草地が広がっています。1993年(平成5年)には、太古の原生林や亜熱帯から冷温帯に及ぶ植生の垂直分布など、屋久島の貴重な自然環境や自然資源が世界的な評価を受け、日本初の世界自然遺産地域に登録されました。 島の特徴の一つには、沿岸部で年間約4,500mm、山間部では8,000~10,000mmにも達するその豊富な雨量が挙げられます。その降水量は、日本本土の2倍をはるかに超えており、その半分近くが5月から8月に集中して降ります。 沿岸部の平均気温は、亜熱帯に位置しているため約20度と温暖で、冬でも美しい花々を見ることができる一方で、冷温帯にある山岳部が雪に覆われているという景色も見られます。季 節 情 報春(3月-5月)山岳部では、時に氷雨を伴う寒い日が続きます。登山シーズンの始まりの時期ではありますが、まだまだ天候は予測不可能で、山岳事故の原因ともなっておりますので、この時期の登山には充分な注意が必要です。寒さに備えた登山用具の装備を怠らないようにしましょう。5月には沿岸の浜辺でアカウミガメが産卵を始めます。この時期、ウミガメ産卵地は保護のための立ち入り制限が行われ、ウミガメ観察会が永田浜で行われています。5月下旬になりますと、ヤクシマシャクナゲが見ごろを迎え、カヤックやシュノーケリング、スキューバダイビング、魚釣り、サーフィンなど、マリンスポーツシーズンの始まりでもあります。夏(6月-8月) 6月は梅雨の始まり。この時期、“虹の島”とも呼ばれる屋久島では美しい虹が各所で見られます。 7月中旬になると梅雨も明け、本格的な夏がやってきます。台風シーズンは8月頃始まり、10月中旬まで続きます。この時期屋久島への旅行を計画している場合は、天気や登山道の状況を事前に確認しておくことをお勧めいたします。 夏の間、屋久島では楽しい人気アクティビティーが盛りだくさんで、登山はもちろん海や川でのマリンスポーツ、各地域での盆踊り、アカウミガメの孵化の様子が見られる観察会などが催されています。秋(9月-11月)この時期の屋久島は降水量もとても少なくなり、(時折の台風を別にすれば、)澄み切った青空と美しい秋の日が続きます。秋は登山やハイキングには最高な季節で、美しく彩られた紅葉が見られます。 冬(12月-2月)沿岸の最低気温は、だいたい8度ほどとなり、12月の降雨量は1年でも最低で120mmほど。山頂部では1メートル以上の積雪が見られ、3月まで雪が残ります。標高約1,600メートルあたりからは屋久杉の枝々が樹氷に飾られている様子も見られます。12月、宮之浦岳登山ルートは登山経験のない方(初心者)にはおすすめできません。道路凍結により山岳部への道路が通行止めとなることもあり、島での冬山登山には、山の天候や道路状況に関する最新情報を含む、十分な登山計画を立てる必要があります。 12月~1月にはぽんかんの収穫が始まります。35.030.025.020.015.010.05.00.0℃12345最高気温月別気温平年値最低気温67891011121200.01000.0800.0600.0400.0200.00.0mm12345屋久島屋久島(最高)屋久島(最低)東京月別降水量6789101112屋久島&口永良部島ガイド

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