屋久島&口永良部島ガイド
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世界自然遺産屋久島は面積が約504平方キロメートル、日本の南方に位置する小さな丸い形をした島です。島の中央部には、九州の最高峰である宮之浦岳(1,936m)をはじめとした標高1,800メートル以上の山々が連なり、熱帯の島でありながら、冬には山頂が雪で覆われ、その姿は『洋上のアルプス』と呼ばれています。 「ひと月に35日雨が降る」とも言われる屋久島は、この豊富な降水量が特徴でもあります。沿岸部での年間降水量は4,000mm、山岳部では10,000mmにもなります。この豊かな雨量は、屋久島の沖を流れる黒潮と地形的特徴によってもたらされるもので、極めて特殊な森林植生を持つ屋久島の豊かな自然の源となっています。屋久島の自然の特徴の一つとしては、その多様性があげられます。島には様々な動植物が自生しており、西部地域は海岸線から山頂部までの植生の垂直分布が見渡せる非常に貴重な場所としてよく知られています。なかでも屋久島の象徴でもある屋久杉は、他とは異なる独特な外観、過酷な自然条件における成長過程や長寿で知られています。そして1954年(昭和29年)、日本政府はこの屋久杉の太古の森を屋久杉原始林・国指定特別天然記念物に指定しました。 そして1993年、屋久島の価値が広く世界に認められ、島の20%に及ぶ地域がユネスコによって世界自然遺産として登録されました。植生の垂直分布 「洋上アルプス」との異名を持つ屋久島。植生の垂直分布が特徴で、広範囲の気候分布を見ることができます。気温は、(日本で一番寒い北海道のような)高山部の亜寒帯気候から沿岸部の亜熱帯気候にまで及び、山頂部には多くの屋久島固有の植物が自生し、屋久島を他に類を見ないものにしています。屋久島は地理的、地形的、気象的な自然条件に恵まれており、動植物は多様性に富んでいます。自生する植物種は1,900種以上を数え、そのうち固有種が80種類以上に及びます。このような特徴から、時には「東洋のガラパゴス」とも称されるほどなのです。令温帯亜熱帯(6℃)2,000m1,500m1,000m500m0m(10℃)(13℃)(16℃)(20℃)▲ 宮之浦岳   (1,936m)・ヤクシマシャクナゲ・ヤクシマリンドウ・ヤクシマダケ・スギ・モミ・ツガ・ヒメシャラ・ガジュマル・スダジイ・アカガシ● 花之江河  (1,630m)● 淀川登山道入り口  (1,360m)● 縄文杉  (1,300m)● ヤクスギランド  (1,000m)● 荒川登山口  (600m)● 白谷雲水峡  (600m)亜高山植物群針広混成樹林郡照葉樹林郡令温帯北海道大阪九州地方屋久島東京2,000m1,500m1,000m500m0m1.936m亜熱帯★植生の垂直分布気候の垂直分布 → 世界自然遺産地域屋久島世界自然遺産地域エリアマップ

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