
口永良部島(くちのえらぶじま)で雇用を生み出していきたい
東京で生まれ育ち、自然の中で生きることを求めて
人口約100人の小さな島・口永良部島にたどり着いた池添さん。
素潜り漁という好きなことを見つけ、
島の可能性と自分の人生を力強く切り開いています。
口永良部島に移住された理由やきっかけは?
もともとは東京育ちで、前職は茨城県にある農業学校の職員でした。
自然の中で生きることに興味を持ち始めていた頃、学校が経営不振になり、転職を考えた時に屋久島町に出会いました。
世界自然遺産であることはもちろん魅力ですが、東京ビッグサイトで開催された移住・交流フェアで、屋久島町の担当者と話した時の印象が良くて。地域おこし協力隊として自由に活動させてもらえそうだなと思い、移住を決めました。
実際に地域おこし協力隊として赴任してみていかがでしたか?

口永良部島に配属になり、主な活動は「島民の軽度生活支援」でした。
自分から課題を見つけて取り組む必要があるのですが、私には向いていたと思います。
ただ、まったく知らない土地に来たので、島民との関係づくりが大変でした。誰とでも話すように心がけていたのですが、最初はどうしても「任期が終わったら帰る人」としか見られなくて。
やっとなじむことができたのは、魚突き漁を始めてからです。
獲った魚を行事の時に持って行くと皆さんに褒められるようになり、その後、水産加工場を2年がかりで自分で建てたことで、「頑張ってこの島で何かやろうとしている」と認めてもらい、居心地がよくなりました。自分がどういう人なのかわかってもらうまで、やはり時間がかかりますね。
島に住み続けたいと思った理由は?また、これからやってみたいことはありますか?

素潜り漁という好きなことを見つけられたのが一番大きいですね。
漁を通じて島の人とも仲良くなれましたし、協力隊の任期が終わった後、水産加工場「港のとと屋」をオープンしました。魚を売るだけでは収入が十分ではない島の漁師たちを盛り上げたいという気持ちもありました。

とと屋のおさかなハンバーグ
結婚して子どもも生まれ、これからは事業を大きくして雇用も広げるつもりです。
若い人たちが島に来るきっかけを作りたい。
もしかしたら、やりたいことが自然の中に見つかるかもしれないですから。
お子さんが生まれたばかりだそうですが、子育ての環境はどうですか?
口永良部島には保育園がなく、妻と2人で店をやっているのでかなり大変です。
「見てあげるよ」と言ってくださる方もいるのですが、やはりすぐに頼れる身内などが近くにいない場合は、ある程度覚悟をしておいた方がいいと思います。
島暮らしが向いている人はどんな人だと思いますか?

好奇心旺盛な人ですね。誰かがやってくれるという受け身では厳しいかもしれません。
逆に、私のように何でも自分でやりたいタイプには、いい意味で何もない口永良部島はぴったりです。時々屋久島に行くと、「都会だな」と思うようになりました(笑)。
移住前にやっておいた方がいいことはありますか?
口永良部島で稼ぐのは大変なので貯金はしておいた方がいいです。
例えば、閉業した民宿を買い取って事業を始めるなど、貯金があればできることが広がると思います。仕事は自分でつくるのが基本です。
地域おこし協力隊だった頃、水産加工場の工事がうまくいかず悩んでいました。
そんな時、鹿児島県が開催する「熊毛リーダーズスクール」という研修に参加して、考えがクリアになった経験があります。
定住を見据えて、事業計画を立てておくことが大切だと思います。

プロフィール
- 名前:池添 慧さん (いけぞえ けい さん)
- 職業:お弁当・水産加工業、漁師
- 家族構成:夫妻・娘1人
- 移住時期:2020年7月
- 移住前の居住地:茨城県